自然災害にソナエル
~ 緊急地震速報が鳴ったらどうする? ~
ずいぶんと涼しくなってきました。
夜トレでは、長袖の方がよいぐらいです。
季節の変わり目、体調管理に気を付けましょう。
MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。
これまでは、ハザードマップ、警戒レベル、タイムラインなどについてご紹介しました。
今回は、これまでの気象災害中心ではなく、地震が発生した場合についてです。
●緊急地震速報とは
規模の大きな地震が発生すると、気象庁から緊急地震速報が発表されます。
この情報は、地震による強い揺れに見舞われる前に、自らの身を守ったり、電車にブレーキをかけたりすることにより、災害を軽減するために活用されています。
気象庁HP 緊急地震速報とは より
●緊急地震速報の仕組み
地震が発生すると、震源から地震波が放出され、揺れとなって地面を伝わっていきます。
地震波にはP波とS波があります。
P波:Primary wave 秒速約7km
S波:Secondary wave 秒速約4km
P波の方がS波より速く伝わりますが、揺れは小さいです。
一方、S波は、速度はP波より遅いですが、強い揺れとなります。
地震にもよりますが、最初にガタガタ、、、と感じるのがP波、続いてユサユサ、グラグラと大きな揺れを感じるのがS波となります。
地震の揺れによる被害をもたらすのは、後から伝わってくるS波です。
緊急地震速報は、このP波とS波の伝わる速度の差を利用した情報です。
動物に例えますと、スタート地点から、ウサギと象が同時にスタートしたようなイメージです。
ウサギは速いですが、地面の揺れは大したことはありません。
象はウサギより遅いですが、大きな地面の揺れを伴って通り過ぎます。
この速度の差を利用して、先に伝わるP波を検知、自動解析し、S波が伝わってくる前に危険をお知らせするのが、緊急地震速報となります。
気象庁HP 緊急地震速報の仕組み より
政府の地震調査研究推進本部による、モーショングラフィックスです。
ポップなデザインとアニメーションで、緊急地震速報の仕組みを解説してくれています。
KINKYU JISHIN SOKUHO NO KOTO on Vimeo
●緊急地震速報の報知
緊急地震速報は、最大震度5弱以上の揺れが予測された場合に、テレビやラジオ、携帯電話などで、専用の報知音で知らされます。
テレビやラジオでは、NHKが開発した「チャイム音」が鳴ります。
NHKの放送 - 緊急地震速報の解説 - NHK そなえる 防災
スマートフォン、携帯電話では、最大震度5弱以上の地震が発生し、みなさんが今いる場所が、震度4以上の揺れに襲われると予測された場合に、NTTドコモが開発した「ブザー音」で報知されます。
ほとんどの方が聞いたことがあると思いますが、「ギュワ、ギュワ、ギュワ」という恐ろし気な音です。
以下で、ブザー音を聴くことができます。
※音量などご注意ください!!
緊急地震速報 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
テレビでは、全国どこで地震が発生しても放送されます。
一方、スマホや携帯は、震度4以上の揺れが予測された地域が対象で、その地域のスマホや携帯に速報メールが一斉送信され、ブザー音が鳴動します。
関東地方で震度5弱以上の地震が発生した場合、関東在住のMOSSA11号のスマホはブザー音が鳴りますが、北海道や関西(震度3以下の地域)では鳴りません。
HTTドコモHP 緊急地震速報 より
※震度4:照明などのつり下げ物が大きく揺れる、固定していない置物が倒れるぐらいの揺れ
※震度5弱:棚の食器、本棚の本が落ちる、固定していない家具が移動するぐらいの揺れ
●緊急地震速報を聞いたら、どう行動するか
自分がいる場所によって、どう行動すべきかが異なります。
【家庭では】
・まずは頭を保護!! 丈夫な机の下など安全な場所に避難
・キッチンは、狭い空間に冷蔵庫や食器棚などの重量物、ガラスや包丁などの危険物が満載です
すぐにキッチンから外に出ます
・トイレや風呂では、閉じ込められないようドアを開け、避難できる経路を確保
・可能であればドアや窓を開け避難経路を確保、でも決して無理せず、まずは身の安全を確保
【オフィスでは】
・まずは頭を保護!! 丈夫な机の下など安全な場所に避難
・オフィスのコピー機は固定されていますか?
固定されていないと、室内を重量物が走り回ることになり危険なので、離れましょう
・エレベーターに乗っていたら、近くのフロアのボタンを全て押して停止させます
エレベーターに閉じ込められないよう、機外に出ます
【交通機関では】
・車を運転中であれば、ハザードランプを点けて減速し、路肩に停車
・電車内であれば、急減速に備え、吊り革や手すりをしっかりと掴む
【屋外では】
・ブロック塀が近くにあれば、倒壊の恐れがあるので離れる
・ 看板や割れたガラスの落下に注意し、丈夫なビルのそばであれば、ビルの中に避難
★ 大きな揺れが収まってきたら、自分や周囲の状況を確認します。
柱や壁にヒビや傾きがあれば、すぐに屋外に出て安全な避難所へ避難します。
海岸や川の河口付近の近くの人は、津波が襲ってくる危険性がありますので、すぐに高台に避難する必要があります。
避難の際には、電気のブレーカーを落とすことを忘れずに!
★ 緊急地震速報は、P波とS波の速度の時間差を利用したものです。
これは、震源に近いと、P波とS波の時間差が小さく(ウサギと象の競争でもスタート直後は差は大きくない)、速報が間に合わない、あるいは、速報を聞いた途端に強く揺れ始める、ということになります。
このように、緊急地震速報が間に合わない場合や、猶予時間がわずかしかない場合があります。
日頃から、家具の耐震固定などに取り組んでおく必要があります。
地震による家具の転倒を防ぐには | 地震による家具の転倒を防ぐには | 総務省消防庁
寝ているときなどは、とっさの安全確保の行動をとることはほぼ不可能です。
日頃から、室内の安全な場所を確保、把握するなど、地震への備えを心がける必要がありますね。