自然災害にソナエル
~ 南海トラフ地震ってなに?西南日本を中心に日本全体に影響を及ぼす巨大地震 ~
涼しくなったと思ったら、やっぱり意外と暑かったり、、、
服装の選択が少々悩ましいところです。
季節の変わり目、体調管理に気を付けましょう。
MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。
これまで、気象災害に関係する災害への備えとしてハザードマップや警戒レベルなど、地震に関係する災害への備えとして、緊急地震速報について前回ご紹介しました。
自然災害にソナエル ~ 緊急地震速報が鳴ったらどうする? ~ - MOSSA LOG
今回は、南海トラフ地震についてです。
●南海トラフ地震とは
駿河湾、遠州灘、熊野灘、紀伊半島から四国沖の海域及び日向灘まで、フィリピン海プレートと陸側のプレートの境界で発生する、マグニチュード8~9クラスの巨大地震が「南海トラフ地震」です。
政府の地震調査研究推進本部の地震調査委員会によると、今後30年以内の発生確率は70~80%となっています。
人によって確率の受け止め方は違うでしょうが、、、ほぼ確実に発生するかのような印象を受けます。
気象庁HP 南海トラフ地震とは より
●発生のメカニズム
南海トラフ沿いの地下では何が起こっているのでしょうか。
①海側のフィリピン海プレートが陸側のプレートの下に、年間3~5cm沈み込んでいます。
②その際、海側のプレートと陸側のプレートの一部がガッチリとくっ付いて、陸側のプレートが地下に引きずり込まれます。
③陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、元の状態に戻ろうと跳ね上がることで地震が発生
①→②→③が繰り返されます
オルゴールをイメージしてください。
振動板が陸側のプレート、回転しているシリンダーが海側のプレートのイメージです。
シリンダーのピンが振動板に引っかかり、シリンダーの回転に合わせて振動板が曲がっていきます。
振動板の曲がりが限界に達すると、はじかれて元に戻ります。
このときに音が鳴ります。
はじかれて音が鳴る = 地震発生、というイメージです。
東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震も、同じメカニズムで発生しました。
同様に、相模トラフでは、関東圏に被害を与える大地震が、千島海溝では、北海道に被害を与える大地震が、発生することが想定されています。
●南海トラフ地震の特徴
南海トラフ地震は、一定の間隔で起こる「周期性」と、複数の領域で同時期に起こる「連動性」が大きな特徴です。
過去に南海トラフで発生した大地震は、その発生の仕方に多様性、いくつかのパターンがあります。
東海地域から南海地域まで、全てが地震となる場合、
時間差(数時間~数年以内)をもって、分割して地震が発生している場合、
などがあります。
富士山の宝永噴火を引き起こしたとされる宝永地震(1707年)では、駿河湾から四国沖の広い領域で同時に地震が発生しました。
また、安政東海地震(1854年)の32時間後に安政南海地震(1854年)が発生したり、昭和東南海地震(1944年)の2年後に昭和南海地震(1946年)が発生したりしています。
この歴史的な100~150年間隔の発生の仕方と、最新の地震観測、GPS観測などの観測結果から、今後30年以内の発生確率70~80%が算出されています。
地震調査研究推進本部 南海トラフで発生する地震 より
このように、南海トラフ沿いでは、近い将来、東日本大震災に匹敵あるいは上回る可能性のある地震の発生が想定されています。
赤線で囲まれた領域が、南海トラフ巨大地震の想定震源域、緑色に塗られた領域は、国が指定する南海トラフ地震防災対策推進地域です。
次は、南海トラフ地震で想定されるリスクや、少しでも被害を軽減するための情報などについて書いていきたいと思います。
日頃から、災害への備えを心がけましょう!