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不惑のおっさんの0円筋トレと雑記ブログ

自然災害にソナエル ~ 地震のリスク ~

自然災害にソナエル
~ 国内で想定される地震によるリスク ~

MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。

地震に関係する災害への備えとして、緊急地震速報、南海トラフ地震、そして津波とは何かについてご紹介しました。

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今回は、地震発生のリスクについてです。


●日本において想定されている地震

国内および周辺の海域で発生することが想定されている地震は、政府の地震調査研究推進本部が評価しています。
日本の地震調査研究の司令塔として、地震についての調査研究の方針を定め、計画を立て、予算を調整し、調査研究の成果を活用して地震を評価し、国民に分かりやすく伝える、という役割を担っています。

地震本部
地震本部HP より

日本列島のプレートは、海側のプレートによって折り曲げられています。
このため、海域ではプレート同士がずれ動く海溝型地震、陸ではプレートがひび割れる活断層型地震が発生します。
地震本部では、海溝型地震と、活断層型地震のうち将来地震が発生する可能性が高い活断層を主要活断層帯として、今後30年の間の地震の発生確率や、発生した場合の規模、揺れなどについて評価しています。

●主要活断層帯による地震

日本には、わかっているだけでも約2000もの活断層があります。
この中で、近い将来に、大地震を発生させる可能性が高い活断層について、主要活断層帯として地震本部により評価されています。

主要活断層の評価
地震本部HP 主な評価結果 より

★30年以内の発生確率が3%以上の活断層をSランクとして、吹き出しが付けられています。
発生確率の目安は、3%なら1000年に1回程度、6%では500年に1回程度、26%では100年に1回程度です。
活断層による地震は数千年単位の間隔で発生するため、30年という枠で見ると、確率的には低くなります。
発生確率3%。
高いと思いますか?低いと思いますか?

★平成28年4月に発生した熊本地震は、布田川断層帯という活断層で発生しました。
熊本地震の発生前、この断層の30年以内の地震発生確率は1%未満と評価されていました。

★平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震は、図の主要活断層帯ではない、地下に隠れていた活断層で発生しました。

このように、日本の陸域では、ランクの高い主要活断層帯だけでなく、いつどこで地震が発生してもおかしくないのです。

●海溝型地震

日本列島は太平洋プレート、フィリピン海プレートと陸側のプレートの境界に位置しているため、ほぼ全域で海溝型地震が想定されています。
発生すれば、大きな地震動とともに、津波も押し寄せてきます。

海溝型地震の評価
地震本部HP 主な評価結果 より

★海溝型地震は、数十年から数百年という、活断層に比べれば短い期間で繰り返し発生します。
近い将来の発生確率が高く評価されている、大規模な海溝型地震として、
  南海トラフ地震、
  日本海溝・千島海溝周辺の地震、
  首都直下地震の一つとして想定される相模トラフの地震、
があります。

★平成23年3月の東北地方太平洋沖地震は、東北地方の沖、日本海溝沿いで発生しました。
宮城県沖の地震の平均発生間隔は約37年で、約30~40年に一度地震が発生しており、マグニチュード8前後の宮城県沖の地震の発生確率は約90%と評価されていました。
しかし、岩手県沖から茨城県沖にかけての全域で発生するようなマグニチュード9クラスの巨大地震の発生確率は想定されていませんでした。

●地震動の予測

主要活断層帯の地震、海溝型地震の発生確率、発生した場合のマグニチュードと予測震度を重ね合わせ、今後30年以内に地震による大きな揺れ(震度6弱以上)に見舞われる確率を示した地図がコチラです。

地震動予測地図
地震本部HP 主な評価結果 より

★今後30年以内に震度6弱以上の激しい揺れに襲われる確率が高い場所ほど「濃い赤色」、相対的に低い場所が「黄色」で示されています。
巨大地震が想定されている「千島海溝」や「南海トラフ」沿いの太平洋側、首都直下地震が想定されている関東地方などで、確率が高くなっています。

★ほかの災害のリスクと比較すると、
  交通事故によって死亡する確率は 0.2%
  台風で自宅などが被害にあう確率は 0.4%、
  火事で自宅などが被害にあう確率は 1%
とされています。
今後30年以内の確率 3%、決して、低いとは言えないのではないでしょうか。

災害のリスク
出典:文部科学省地震調査研究推進本部地震調査委員会「地震の将来予測への取組」「全国を概観した地震動予測地図」2008年版

 



今、住んでいる地域の地震によるリスクを詳しく調べるためには、コチラの、防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション」。
このサイトでは、地図を拡大して自分の住む地域をより詳しく確認できます。

www.j-shis.bosai.go.jp

今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率が「0%」の地域は存在しません。
地震は、すぐソコにあるリスクであり、将来、必ず強い揺れに見舞われる、という心構えを持って、日頃から、災害への備えを心がけましょう!