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不惑のおっさんの0円筋トレと雑記ブログ

自然災害にソナエル  ~ 南海トラフ地震に関連する情報 ~

自然災害にソナエル
~ 南海トラフ地震の発生可能性の高まりを知らせる、「南海トラフ地震に関連する情報」 ~

台風一過。
各地で堤防の決壊による大規模な浸水など、大雨による甚大な被害が発生しています。
被害を受けた方々にお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復旧をお祈りいたします。

MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。

地震に関係する災害への備えとして、緊急地震速報、南海トラフ地震とは何か、そして想定される被害についてご紹介しました。

自然災害にソナエル ~ 緊急地震速報が鳴ったらどうする? ~ - MOSSA LOG

自然災害にソナエル ~ 南海トラフ地震ってなに? ~ - MOSSA LOG

自然災害にソナエル ~ 南海トラフ地震で想定される被害 ~ - MOSSA LOG

今回は、南海トラフ地震の発生可能性の高まりを知らせてくれる、南海トラフ地震に関連する情報についてです。
内閣府から、南海トラフ地震に関連する情報やとるべき防災対応についての動画が公開されています。

www.youtube.com


●南海トラフ地震の発生の仕方は一つではない

過去の南海トラフ地震の発生の仕方、あるいは日本や世界のマグニチュード9クラスの巨大地震の発生の仕方を調査すると、様々な発生の仕方があるようです。

南海トラフ地震

【連続発生パターン】
南海トラフの約半分の領域で大地震が発生し、時間差で連続して残り半分で大地震が発生するパターンです。
・1944年昭和東南海地震(M8.2)の約2年後の1946年に昭和南海地震(M8.4)が発生。


昭和東南海地震

昭和南海地震


・1854年安政東海地震(M8.6)の約32時間後に安政南海地震(M8.7)が発生


安政東海地震

安政南海地震

 

【前震 → 本震パターン】
東日本大震災を発生させた、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震。
その2日前の3月9日、ほぼ同じ領域で、M7.3の地震が発生しています。
後の調査で、9日の地震が前震であったとされています。
同様のことが、南海トラフでも発生する可能性があります。

【前兆現象?パターン】
発生パターンではありませんが、巨大地震発生前に、異常な現象を検知して、事前にお知らせしようというパターンも、想定されています。
南海トラフ地震の発生領域では、
プレートのゆっくりとしたすべりが観測されています。
この現象は、南海トラフ地震の発生に直結するような現象ではなく、数年間隔で繰り返し発生している現象のようです。
このような繰り返しおこっているゆっくりとしたすべりではない、岩盤の異常なゆっくりとした動きを検知すれば、情報としてお知らせし、南海トラフ地震発生に備えようということです。

地震は観測することができますが、前兆現象?はどのように観測するのでしょうか?
東北地方太平洋沖地震は、太平洋沖が発生領域で、海底にそのような観測機器を設置することは、現状では困難です。
一方で、南海トラフ地震は、西日本の陸域の下が発生領域で、気象庁や産業技術総合研究所などが、ひずみ計という観測機器を設置しています。

気象庁|南海トラフ地震について | ひずみ計とは

岩盤のゆっくりとした変化を捉えるための観測機器で、なんと25mプールにビー玉1個落とした体積の変化を検知できるそうです!
また、昔から、地震の前に井戸が干上がったなどの言い伝えがたくさんありますが、これも、地震前の岩盤のゆっくりとした動きにより、地下水が影響を受けるためと考えられています。
1か所の井戸では地震の前兆かどうかは判断しづらいですが、広範囲の井戸で同時に影響があれば、前兆現象の可能性が高くなりますので、観測用の井戸が研究機関によって設置されています。

産業技術総合研究所 地下水等総合観測−地震直前予知を目指して−

●南海トラフ地震に関連する情報

このように、いろいろな発生の仕方が想定される南海トラフ地震に対し、少しでも被害を少なくするために、気象庁から「南海トラフ地震に関連する情報」が発表されます。
情報は大きく分けて、最初に発表される「南海トラフ地震臨時情報」と、状況を解説する「南海トラフ地震関連解説情報」になります。

気象庁|南海トラフ地震について | 南海トラフ地震に関連する情報の種類と発表条件

 

【南海トラフ地震臨時情報(調査中)】
半分ずつ時間差で発生するパターンでも、前震のパターンでも、南海トラフ地震の震源域周辺でマグニチュード6.8以上の地震が発生した場合、あるいは、ひずみ計や井戸などで、プレートの岩盤のゆっくりした動きの可能性がある現象を検知した場合、まず、
「発生した現象が、南海トラフ地震と関係があるのかどうか、調査中です!」
という情報が発表されます。

【南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)】
調査の結果、発生した地震がマグニチュード8以上で、南海トラフ地震の約半分の領域の地震である、と分かったら、
「まだ地震が発生していない残り半分の領域で、時間差で連続して巨大地震が発生する可能性が高くなっています!」
という情報が発表されます。

【南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)】
調査の結果、発生した地震がマグニチュード7クラスの地震であったり、プレートの岩盤のゆっくりした動きである現象が発生していると分かったら、
「前震や前兆現象かもしれないので、巨大地震に注意してください!」
という情報が発表されます。

【南海トラフ地震臨時情報(調査終了)】
調査の結果、巨大地震警戒や巨大地震注意に当てはまらないことが分かったら、
「以上、調査終了!」
という情報が発表されます。

●南海トラフ地震臨時情報が発表された場合の防災対応

臨時情報が出た場合、防災のためにどう行動すればよいのでしょうか?
政府の中央防災会議は、令和元年(2019年)5月、臨時情報が出た場合の対応について定めました。
政府の決定を受け、現在、各自治体において、具体的な避難計画の作成が進められています。
臨時情報(巨大地震警戒)が発表されれば、津波からの避難が間に合わない地域では、あらかじめすべての住民が、「1週間」避難することとされています。

内閣府ガイドライン
内閣府防災HP 南海トラフ地震防災対応ガイドライン より ※PDFファイルへのリンクです




南海トラフ地震臨時情報は、「巨大地震の発生可能性が高まっている」という、不確実な情報です。
臨時情報が発表されずに、いきなり巨大地震が発生する可能性もあれば、臨時情報が発表されても、巨大地震が発生しないこともあります。
さらに、事前に1週間避難しても、巨大地震が発生しないこともありますし、避難を終えて自宅に戻った後、巨大地震が発生することもあります。

結局は、普段から家具の固定などの対策を取っておくことが大前提となります。
日頃から、災害への備えを心がけましょう!