自然災害にソナエル
~ 風光明媚、温泉、さまざまな恩恵を与えてくれる火山について ~
MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。
地震に関係する災害への備えとして、緊急地震速報、南海トラフ地震、津波とは、そして地震のリスクについてご紹介しました。
自然災害にソナエル ~ 緊急地震速報が鳴ったらどうする? ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 南海トラフ地震ってなに? ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 南海トラフ地震で想定される被害 ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 南海トラフ地震に関連する情報 ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 津波とは?その威力は? ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 津波が予測される時に発表される情報 ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 地震のリスク ~ - MOSSA LOG
今回は、火山についてです。
●火山とは?
日本の火山は、陸のプレートの下に沈み込んだ海のプレートから、プレートの一部が融けてマグマとなり、地表に向かって上昇、噴出し、火山となります。
一方、ハワイなどの火山は、ホットスポットという、地球内部のマントルから直接マグマが湧きだしています。
気象庁HP 火山噴火の仕組み より
このように、世界の火山は、プレートの境界に沿って、あるいはホットスポットとして、分布しています。
世界には約1500の活火山があるといわれており、そのほとんどが、太平洋を取り囲む領域に分布しています。
そして、日本には、世界の活火山の約1割が集中しており、世界有数の火山国ということができます。
世界の火山の分布 内閣府HP より
●日本の活火山
日本の活火山は、火山噴火予知連絡会が
「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」
と定義しており、現在、111の火山が活火山とされています。
気象庁HP 活火山とは より
★休火山、死火山とは?
1960年代ぐらいまでは、今現在活動している火山を「活火山」、現在噴火していない火山を「休火山」あるいは「死火山」と呼んでいました。
例えば、富士山のように歴史的に噴火の記録はあっても、現在活動が休止しているように見える火山のことを「休火山」、歴史的に噴火記録がない火山のことを「死火山」と呼んでいました。
しかし、火山は、活動の寿命が長く、数百年程度の休止期間は、数万年という火山の寿命から見ると、つかの間の眠りでしかないということから、国際的に、噴火記録のある火山や今後噴火する可能性がある火山を全て「活火山」と呼ぶことになりました。
●火山の恩恵
火山は、ひとたび噴火すれば大きな被害をもたらしますが、さまざまな恩恵を与えてくれます。
★美しい風景
火山活動により造られたカルデラ湖や美しい山並みなどは、地域の観光の目玉となっています。
富士川SAから臨む富士山
★温泉、湧き水
火山の周りには、地下のマグマによって熱せられた温泉がたくさん湧き出します。
草津温泉や別府温泉などなど、世界有数の温泉数を誇ります。
また、火山の山麓は多量の湧水に恵まれます。
★エネルギー源
火山周辺の高い地熱によって発電する地熱発電が可能です。
日本では利用率は低いですが、アイスランドでは、総発電量の半分以上が地熱発電によってまかなわれています。
発電以外にも、暖房や温水プールなど、アイスランドでは多くのものに地熱が利用されています。
アイスランドの地熱発電を利用した温泉施設、世界最大の露天風呂ブルーラグーン
火山の恩恵を受けながら生活する我々としては、火山がどのような災害をもたらすかを正しく理解し、風評被害などではなく、正しく恐れる必要があります。
次は、火山噴火により引き起こされる災害についてご紹介できればと思います。
温泉を正しく楽しむためにも、火山災害を正しく理解しましょう!