自然災害にソナエル
~ 台風は、どんな災害をもたらすのか? ~
大分、涼しさを感じるようになってきました。
一方で、9月8日~9日にかけて関東地方を通過した台風15号は、各地に大きな被害を与えました。
被害を受けた方々にお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復旧をお祈りいたします。
MOSSA11号は、防災についてのセミナーや研修などで、内閣府や気象庁、自治体防災担当の方のお話を聴くことがあります。
その中には、非常に有効な情報がたくさんありますので、いくつかご紹介できればと思います。
これまでは、
普段から確認しておくべき情報として【ハザードマップ】
大雨などの際に確認すべき情報として【警戒レベル】と【危険度分布】
実際に避難行動を取るための心構え
タイムラインとは何か
をご紹介しました。
自然災害にソナエル ~ ハザードマップって何? ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 大雨の災害危険度を、スマホに通知! ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ 避難しなきゃ!でも実際に行動に移せる? ~ - MOSSA LOG
自然災害にソナエル ~ タイムラインって何?いつ、どんな防災行動を取るか? ~ - MOSSA LOG
今回は、台風がどのような被害をもたらすのかについてです。
●台風とは
熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びます。
このうち北西太平洋または南シナ海に存在し、かつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット)以上のものを「台風」と呼びます。
気象庁HPより抜粋 令和元年台風15号の見通し
●台風の風
台風は巨大な空気の渦巻きです。
上から見ると、反時計回りに強い風が吹き込んでいます。
台風の進行方向の右側の半円では、台風自身の風と台風を移動させる風が同じ方向に吹くため、風が強くなります。
逆に、左の半円では台風自身の風が逆になり、台風自信の風と台風を移動させる風が逆向きに打ち消し合うので、右側の半円に比べると風速が小さくなります。
今回の台風15号の経路を見ると、東京湾を境に千葉県が台風の右側の領域に入っており、千葉県側により強い風が吹きつけたことになります。
気象庁HPより 台風経路図
●台風にともなう大雨
台風は、強い風とともに大雨を伴います。
台風は積乱雲が集まったもので、広範囲に大雨を降らせます。
また、日本付近に前線が停滞していると、台風から流れ込む暖かく湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨となることがあります。
平成27年台風第18号では、台風に向かって南から湿った空気が流れ込んだ影響で、西日本から北日本にかけての広範囲で大雨となり、特に関東地方と東北地方では記録的な大雨となりました。
●台風に伴う高潮
台風に伴う風が沖から海岸に向かって吹くと、海水は海岸に吹き寄せられ、海岸付近の海面の上昇が起こります。
これは「吹き寄せ効果」と呼ばれています。
また、台風が接近して気圧が低くなると、海面が持ち上がります。
これを「吸い上げ効果」といいます。
平成30年台風21号では、大阪湾で記録的な高潮となり、神戸などで浸水害が発生しました。
暴風で操舵不能となった貨物船が、関西空港の連絡橋に衝突する災害も発生しました。
このように、台風によって引き起こされる災害には、風水害、高潮害などがあり、これらは単独で発生するだけではなく、複合して発生し大きな被害となることがあります。
住んでいる地域の災害リスクを日頃から把握し、どのような情報が発表されたらどのような防災行動を取るかの心構えを、早め早めに高めておく必要がありますね。